事業承継方法は決まった。では事業承継税制の利用方法は?

2014-09-10
 
木本公認会計士税理士事務所 木本です
 
今回は、事業承継における事業承継税制の利用方法について、ご説明させていただきたいと思います
 
親族内後継者がいる場合、本人が会社を承継する意思があるときに、どのような承継方法を考えることができるか?という点について、事業承継では、経営と会社の所有(株式等の持ち分)に分けて考えることが必要です
引き継ぐ対象が、経営-事業遂行に関する責任者として-を承継する意思があるのか?それとも、会社のコントロールを資本の論理として引き継いでいくのか?という点を考えておくことが重要です
 
親族内後継者の置かれた状況は、下記のようなものであると考えます
1. 創業者から続く株式という財産を引き継ぐ地位にいること
2. 家名として、当該会社の創業家としての存在感を有していること
3. 会社を引き継ぐにあたって、種々の政策的な恩恵にあずかる機会を有すること
 
3.は、事業承継税制のことを明示しております。この点は、平成27年1月1日以後、使い勝手が良くなった事業承継税制が開始されます(平成25年度税制改正分です)
平成27年1月1日以降は、①雇用確保条件の緩和(雇用の8割以上を「5年間毎年継続雇用」⇒「5年間平均雇用」という条件に変更されたものの、②資産管理会社(資産保有型会社・資産運用型会社)に該当する場合には,事業実態要件が制限されることとなりました。その結果、株主としての統治を優先させるケースで、資産管理会社を利用する場合は、制限を受けやすくなることが想定されます
したがって、すでに旧制度を利用されている方で、新制度への乗り換えを検討されている方は、どのような統治を行っていくのかという観点で、有利な点と不利な点を比較考量することが必要です
 
この事業承継税制については、別のコラムで詳細にご説明しますが、事業承継税制は、経営そのもの―事業を遂行することそのもの―を引き継ぐことが前提ですので、創業家として、経営者としてではなく、株主として会社を統治していく場合には、当該税制利用する場合は、工夫が必要になるケースがあります
 
さて、実際に親族内後継者の引継ぎ方については、株主の地位の継承のみならず、会社の経営そのものを引き継いでいくケースは、非常に単純かつ分かりやすいと思います。この場合は、事業承継税制等も新制度も含めて積極的に利用することが好ましいと思われます
しかし、後継候補者の経営能力では現在の経営陣の方が好ましい場合、後継候補者に経営の引継ぎの意思がない場合などのケースでは、創業家を引き継ぐものとして、株主としての統治という形になると思われます。また、資産管理会社等を通した統治の場合には、新制度では親族外の従業員が5名以上在籍していること、物品の売買など種々の要件があり、単純に事業承継税制の適用はできません
 
なお、このような同族会社で株主としての統治というのは、BMWをはじめとして世界中の有名同族企業でも採用されている方式であり、まさに所有を創業家が行うことで、経営の安定性を確保しながら、経営自体は、他の経営能力の高い人物に委任してくというスタイルも、選択肢としては重要だと考えます
 
近年日本でも、カルビー、森下仁丹やサントリーなども同様だと思います。以前日経ビジネスの記事でも、ファーストリテイリングの柳井氏が同様のことをインタビューの中で語っていたかと記憶しています
 
このように、事業承継方法には、種々の考え方があり、事業(会社)を強くするための承継方法を考えることが最重要です。その後、承継をスムーズに行うための具体的な施策として、決定した事業承継方法に適した税務面での承継スキームを検討することが重要だと考えます
 
事業承継については、事業(会社)の経営からアドバイスできる当事務所グループにお問い合わせください
 
 
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