医療法人の方、法人の組織の変更には税務上の注意が必要です

2014-11-29
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
今回のコラムでは、「持分の定めのない法人」への移行に伴う税務問題を考えていきたいと思います。これは、特に出資持分の放棄による贈与税がかかるかどうかなどの問題点が、相続税・贈与税の納税猶予制度を利用した場合でも、問題になる可能性があるという点が、今週の税務通信において取り上げられています
 
この点、説明していきます
 
病院・クリニックの方も、以外と知らない方が多いかも知れない、移行の話。
 
特に、平成19年3月末日以前に設立した医療法人は、ほとんどが出資に関する「持分の定めのある法人」になっています。
これは、医療法人の貸借対照表に資本金がある場合は、この法人に該当します
 
第5次医療制度改革において、病院・クリニックの公益性および存続可能性の確保の観点から「持分の定めのない法人」の設立のみが認められ、依然に認められていた「持分の定めのある法人」-社員が定義され、各社員ごとに持分の定めが定義されている法人-は、設立が認められず、「持分の定めのない法人」に移行することが要請されています。
そのため、「持分の定めのある法人」は、経過措置法人と言われております
 
この経過措置法人が、「持分の定めのない法人」への移行を計画し、厚生労働大臣から計画の認定を受け(認定医療法人)ることにより、移行の際に出資者の持分放棄による贈与税や出資者の死亡による相続税負担が、最大3年間猶予され、最終的に出資者(相続人を含む)が持分を放棄すれば、相続税・贈与税が免除されるという制度があります
 
この制度がわかりにくいということであれば、追加でご説明しますので、当事務所にご連絡ください
 
上記の相続税・贈与税の納税猶予・免除制度ですが、この制度を適用したとしても、医療法人が出資者からの持分放棄を受けたときに、贈与税がかかってしまう-みなし贈与課税といいます-があるようです
 
これは、相続税法や施行令に規定されていますが、医療法人の組織体制に不備がある場合は、贈与者の親族らへの「相続税又は贈与税の負担が不当に減少する」という結果をもたらすことにとなるため、法人の組織の運営体制として、
 
① 医療法人の運営組織が適正であること
② 役員等の親族等の占める割合が1/3以下であること
などがあります
 
上記の②で、従来から名目上の理事を据えることによりクリアしている場合は、②の要件を”満たさない”と判断されることがあるようです。したがって、組織運営体制の見直しも、合わせて行うことが重要だと思います
そのためには、名目的な理事業務に従事していない理事ではなく、本当に職務上必要な人員に理事を行ってもらう必要があると考えます
 
過去における医療法人への移行は、基本的に税務上の節税メリットの観点から行われてきている側面は否定できません。しかし、税務から求めているのは、非常に原理原則に沿った話を展開しており、その点は、医療法人側との意思の相違があります
 
移行認定制度によれば、すべてがクリアされるというイメージをまずは払拭し、原理原則に沿った運営ができているのかをもう一度再点検することが必要であると考えます
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