Archive for the ‘コラム’ Category

銀行融資について

2016-02-01

銀行融資の話

木本公認会計士税理士事務所の木本です

今回は、銀行融資に関してお話していきたいと思います
銀行融資については、種々そのニーズをお聞きします。またそれを支援する方も、融資を出してもらうには、・・・、というHow to 話が多いように思えます。

しかし、銀行の融資を融資の時だけを捉えるのは、間違った対応方法だと断言できます。
銀行の融資ではなく、「銀行との付き合い方を考えること」が重要です。

そのためには、まず理解いただきたいのは、銀行は企業の重要なパートナーであることです。
もちろん、すべての要求に応じるべきであるとは、全く思いませんんし、こちらが助けて欲しい時には助けてもらうような関係をできるだけ築くことが重要です。
そのためには、情報の開示とスケジュール通りの返済の実行が必要になります。なぜ、これらが必要かと言えば、これにより信頼関係を築くためです。

ちょっと、脱線しますが、信頼関係を築くためには、「下町ロケット」にあったような銀行を選んではいけない、ということも重要な要素になります。

そのため、まとめると
①理路整然かつ定期的な情報の開示
②スケジュール通りの返済実行
③相手の金融機関を選ぶ

ということになります。

特に、③は、本当に苦しいときの態度を見極めることが重要だと思います。また、これから銀行との関係を築いていくのであれば、まずは、幾つかの銀行と話をして、その銀行の融資スタンスなどを見ながら、判断していくことにななると思います。

①の情報開示ですが、やはり事業計画は持っておいたほうが良い。もちろん、こんなものを必達至上主義的に用いるのではなく、事業計画は、今後数年内の方針やそれに基づく経営者としての見込決算数値を表し、経営者が自分の言葉で、銀行に対して情報開示し、さらに、事業計画と実績との対比も含めて、きちんと説明をしておくことが重要です。もちろん、実績や計画の中にあるリスクファクターについても、説明することが重要です。

私の顧問先では、できる限り、このような事業計画と実績評価の関係を明確にしようと思っております。もちろん、費用がかかるため、いつも行っているわけではないですが、ベンチャー企業や事業の変動が大きく、不安定要素がある場合には、必ず行うようにしています。

さらに、これらの結果を定期的に報告することも非常に重要です。融資を受けるときではなく、定期的にも必ず実行することが必要です。

②については、当然と言われると思います。もちろん、その通りですが、それだけではなく、自分が返せると思う金額以上の金額を借りてはいけないということです。私も、これまでそのような相談を受けるときがありますが、借りても返せない場合は、借入はやめて、それ以外の方法を探すようにしています。しかし、この点をきちんと行うことで、信頼感は大幅に増します。

以上が、当事務所で考えてることであり、日々の実践の内容となります。

税法を考える際には常識に照らしてください!

2014-11-10
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
今回のコラムでは、最近いくつかの質問であったよくある税務の取り扱いに関する少々おかしな判断事例を紹介し、この事例から税務を読み解く上で重要なことを記載していきます
これは、税法だけでなく、通常の法律一般・すべての経営問題も含めてすべてに応用される話です。実際に小職がこれまでM&Aや通常の取引法も含めて対応した際に、もっとも重視している考え方です
 
その考え方とは、「法律上の取り扱いが、各利害関係者の損得を考えた際に、自分の常識と比較しておかしな結果になっていないかどうか?」ということです。
 
先日の質問とは、減価償却資産の時価が問題になりました。非適格分割になる場合においてその時価をいくらにするかという点について、種々の意見が交わされました
 
当初から、減価償却資産の使用状態などについて調べると、
①通常の使用時間で当初から使用しており、投入当初に大きく使用時間が偏るという半導体業界などにみられるような特徴はない
②耐用年数についても本来の意味での経済的な耐用年数を同一あるいは、経済的な耐用年数が長くなる(耐用年数満期以上に使用しているという意味です)
③すでに成熟化している業界であることから、設備の技術的な陳腐化なども特段ない
 
以上から、対象となっている設備は、定額法により減価償却されています。当初は、分割する側の会社もその資産が簿価(未償却残高)=時価であると認識していました。しかし、とある税務の専門家より、「基本通達9-1-19において、減価償却資産の時価は、旧定率法により評価する場合は、これを時価と認める」と記載されているとの指摘がありました
 
ここからが問題です。基本的に、基本通達というのは、よく上場会社などでもあるのですが、社内規定に規定されていないことを、別途ルール化する際に、「通達」というものを全社に出します。税務でいう基本通達も、基本的に税当局から個別の取り扱い方法について、記載してものであり、法律ではありません
また、この基本通達は、基本的に「減価償却資産を含む固定資産の評価減」に関する部分の取扱いとして、その時価の算出の一つの方法を示したものであって、時価の方法を規定したわけではありません
 
しかし、この基本通達が規定された背景が全く無視された議論が起こりがちです。それは、基本通達に「・・・」と書いてあるから、これに従わないといけない、という議論が起こることです。
先ほども触れたように、この基本通達は考え方の一つが示されただけです。また、原則論としては、減価償却自体は、固定資産の価値の下落を表す方法であり、時価の代替という基本的な考え方があります
 
したがって、このケースでは、時価が簿価であるとみなされることになり、その際の減価償却方法が旧定率法かどうかは関係なく、これまで資産の利用実態などに応じて適切に選択した方法で減価償却した場合の未償却残高で良いということになりました
 
上記のように、前例や条文だけを気にしてしまう実務家が多くいます。結果的に、関係者が振り回されてしまいます。しかし、何事も重要なことは、原理原則論は何か?その施行令や通達はなぜできたのか?という背景が重要であり、その背景を基にした場合に、今自分の前におきている事象は、適合するのかどうか?という判断をすることが必要です
 
今回のコラムは、少々複雑になってしまいましたが、重要なことは「通達にあるから」(前例や条文があるから)という理由だけで納得してはいけないということです。専門家のすべてが良く考えてから物事を判断する人ではありません。その理由として個人的な考えを述べますと、専門家の修正として、通達や条文に書いている方が、税務署や国税局から調査時に指摘される可能性がすくないと、単純に考えて指導している人が多いように思えます
 
このことは、自分自身にも常に言い聞かせていますが、みなさんも顧問税理士などからの指摘事項がおかしいときなどは、よくその内容を確認していただければと思います
もちろん、特定のことでセカンドオピニオンがほしいなどの場合も、ご相談いただければと思います

中小企業がM&Aで気を付ける点(買い手編)

2014-09-11
 
 
木本公認会計士税理士事務所 木本です
 
今回は、中小企業が他社を買収する際に気を付けたい点をご説明します
これまでの私のM&Aアドバイザリー業務の中では、以下のような点が、M&Aの難しい点かと思います。
 
買い手から見たM&Aでの困難あるいはリスク
 
1. 当初の想定した効果の実現性
2. デューデリジェンス(買収監査)が十分で無いために、不測の事態が発覚する可能性
3. 1.に関連しますが、買収対象会社の本来の強みを読み違える可能性
4. 高く買いすぎてしまう。また、逆に、入札案件では、不当に高額であると錯覚してしまう
5. 事業モデルの認識が十分でなく、また、税務スキームの検討も十分でないため、当初想定キャッシュフローが獲得できない
 
上記の困難な点やリスクといった点については、以下の点が問題だと考えます
1. 買収対象会社の業界に関する理解の有無
2. 買収対象会社のデューデリジェンスが不十分であること
3. 事業構造をモデル化して、事業計画を把握していないこと
4. 買収を行っている段階で、人事面なども含めて十分な対話がなされていないこと。買収会社の人員が、買収対象会社の人員との間に、上下関係を感じていること
 
1~3については、相対の案件であれば、基本的には買い手側がその意思で行うかどうか?十分な経験を有する専門家を起用しているかどうかが問題になります
 
特に、会計監査の中心の会計士や税務業務を中心の税理士などの専門家が行う買収監査は、単に会計処理が正しいかどうかという面の調査になってしまい、本来のデューデリジェンスが行えません
この点は、M&A取引に精通していないと、ポイントが分かりません。
 
具体的には、以下のような点です
1. 単純連単倍率が1.5倍以上なのに、連結決算を対象会社が行っていないため、連結決算見込みを作らず、調査を終わらせる
2. 固定資産の減価償却方法が、買い手と大きく異なっていたり、償却不足が過去にわたって存在するが、資料が無いため、償却不足額の見積もりを行わない
3. 変動費・固定費の管理を対象会社が行っていないため、損益分岐点が不明であることを放置する
4. 事業部門が複数あるにも関わらず、部門別の損益管理が十分でないにも関わらず、その内容を詳細に分析しない
5. 偶発債務、在庫の評価方法、支払回収サイトなどが、買い手の会計方針やサイトと異なっている場合にも、それらを買い手と同様に置き換えた場合の影響分析などを行わない
 
ほかにも種々の注意点がありますが、ざっと上記のような点は大きな影響があります
しかし、上記を明確にするには、いくつかの仮説と膨大な情報をもとにしたシミュレーションの実施などを行う必要性があり、時間も要するため、専門家でも実施しないことが散見されます。特に中小企業向けのM&Aでは相当起きているのではないかと思います
 
これらの点は、当事務所グループの株式会社KLASでは必ず実施します。その結果を十分に見ながら、M&Aの実施の判断を行っていただきたいと考えるからです
さらに、これらの結果、買収に関する契約書上、何を相手側に要求すればよいのかが明確になります
 
事業モデルの話については、別な機会に事業計画に関するコラムでご説明させていただきます
 
事業に関する理解については、買い手企業での認識の有無になりますが、単純なマーケット調査資料だけでは不足します。やはり、相当程度の業界情報の把握が必要です
 
最後に、人員の部分ですが、基本的に買い手企業が上下関係を意識した取組を一つでも行えば、基本的に失敗すると考えてください。もし、そこにいる従業員の方たちが気持ちよく働く環境を提供せずに、自社の押しつけなどをするのであれば、買収後の統合は失敗すると考えていただいて間違いないと思います
 
双方を尊重し、双方の強みを認識しながら、双方が成長していけるようなM&Aが、買い手に最大の果実をもたらすものと考えます

病医院・クリニック節税のすゝめ(設備編)

2014-09-09
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
今回は、病医院・クリニック向けの固定資産に対する節税について、説明していきたいと思います
 
節税方法の考え方としては、
1)節税のために現金を使うか、現金を使わないか?
2)制度として用意されているか、制度設計上の抜け穴の利用か?
の2つの点から考えるとかなり整理できると思いますが、個人的には、節税のために現金を使わず、制度として継続的に利用できるものが、節税としての王道だと思います。この点については、別の機会に整理したいと思います
 
今回の節税方法については、もともと医療サービスを提供するときに必要となる設備を導入した場合の節税方法です。もちろん、大半の節税がそうであるように、この節税も、購入した期に近い時期に費用化=損金算入し、税金の節約を図るものです。したがって、費用化のタイミングの違いであるということも認識していただければと思います
 
ここで重要なことは、提供する医療サービスの向上のため、“税金の節約 ⇒ 資金の早期回収 ⇒ 更なる設備投資の実施”、という好循環軌道に経営を乗せていくためのものであるということです
 
具体的な方法として、以下のような方法が考えられます
 
1. 定率法の採用による早期償却
 
2. 中古資産の積極活用
 
3. 少額減価償却資産の費用化として
イ)少額減価償却資産のうち、以下に該当するもの
a) 使用可能期間が1年未満のもの
b) 取得価額が10万円未満のもの
ロ)一括償却資産
取得価額が20万円未満のもの。3年間一括償却。
ハ)中小企業者等の少額減価償却資産
取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成15年4月1日から平成26年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額全額を損金の額に算入することができます
 
4. 医療機器購入に関して、医療法人等で利用できる優遇措置は、以下のようなものが想定できます
1)医療用機器等の特別償却
2)中小企業投資促進税制
3)環境関連投資促進税制
4)雇用促進税制
 
具体的にはどの手法を適用することが良いのかという点については、別途詳細な検討が必要になります。もちろん、当事務所でもその点には力を入れていきます
 
いずれにしても、設備関連の節税方法だけでも種々の方法が考えられます。このような方法を十分に活用することで、各医療法人等の経営の発展の役に立つものと当事務所では考えております

月次決算について考えてみる

2014-09-03
 
木本公認会計士事務所 木本です
 
今回は、月次決算について考えてみたいと思います
 
月次決算は、会計の基本的な要素です。「月次決算は、もちろんやっているよ。」という会社が大半かと思います
当事務所でも記帳代行などを行う場合には、月次決算提供サービスをさせていただきます。また、分析基礎資料もご予算に応じて、カスタムメイドでご用意させていただきます
さて、このように一般的に行われている月次決算ですが、その使われ方やタイミングなどを良く考えたいと思います
 
月次決算を出すタイミングですが、月末で決算を締めたのち、どの程度で纏められているでしょうか。イメージ大企業だと、月末後3営業日の会社や営業日後5~8日程度が多いと思います。また、中小企業だと、営業日で7日~15日程度と思います
次に、月次決算の分析はどのようにしているでしょうか?前年と比較して・・・、前月・前々月と比較して・・・、項目については、全体の部門別損益を見て・・・、というイメージでしょうか?
 
月次決算を出すことの意味は、「①現状の状況を的確なタイミングで把握、②次月以降の対策に有効な情報を提供すること」です
この点は、種々の解説本ともほぼ同様の内容化と思います
 
では、①の的確なタイミングですが、こちらは早ければ早いほど良いのですが、基本的に、基幹系システムを締日プラス2~3営業日当たりが実務的に可能な日数といえます。経営判断の日程から考えると、できれば、5~8営業日が理想的です
決算の早期化には、費用の計上方法をどのようにするのか?という点を工夫する必要があります。また、会計業務の効率化を図る必要があります。そのためには、業務の棚卸と解決策を考えていくことになります。この点、当事務所では実際に業務分析を行いながら行わさせていただきます
 
次に②の次月以降の対策に有効な情報を提供するためには、現状の状況は、当初想定してた状況通りなのか、それとも、当初想定していた状況とは異なるのか?その理由は何か?ということを把握することが必要になります
そのためには、ある程度予算的な目標数値を持つことがどうしても必要になってきます。また、業績を変動させる外部要因は何かという点も重要になります
当事務所では、これらを解決するためには、顧問先の業績内容の分析や会社構造のモデル化などを行い、予算や見込数値など種々の経営ナビゲーションを用意することにより、月次決算の有効利用を促進していきます
 
効果的かつ有効的な予算・決算制度の導入も、木本公認会計士税理士事務所グループのご相談ください
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