Archive for the ‘税務コラム’ Category

決算の正確性と効率化の二兎を追う

2015-05-19

 

 
公認会計士・税理士の木本です。
 
最近とある会社の税理士事務所向けのDMを見て、驚愕してしまいました。
それは、書籍を共同出版するというものでしたが、その謳い文句が以下のものです
「顧問先にとっては、税理士なんてみんな同じ。だから書籍が重要!」
 
税理士の側がこの意識なので、しょうがないのかも知れませんが、うちの事務所は、明確にポリシーを持っていきたいと思います
以前、当事務所のポリシーを発表しましたが、当事務所では、顧問先の経営が良くなるために真剣に努力し、それを達成させる具体的な行動を起こし、実現させていきます
 
話が主題からずれてきましたが、決算の正確性を担保すること、決算を効率化することは、往々にして同時に 実現されるというお話をしたいと思います
 
この話は、上場企業で社歴の古い会社などでは、整備も進んでいるたので、実感として当然のことのように感じるかもしれませんが、中小企業では、このことについては、実感がないと思います
 
中小企業の多くは、伝票を起票し、それを会計システムに登録していくという作業となっていることが多いように見受けられます。しかし、実は証票をそのまま入力してしまうと、入力のチェックができなくなります。また、すべての証憑を入力するのも手間です
 
そこで、皆さんにも一度考えていただきたいのが、エクセルなどを利用して、帳簿の外で効率的に集計や検算などを仕組み(表)を作れないかという点です。これは、表の検算機能を最大限に利用し、伝票を最小の枚数とすることで、業務効率の向上を達成しながら、集計の効率化ができます。
一度、簡単なことで構わないので、試していただければと思います
 
当事務所では、このような表に関する作りこみや効率的な帳簿体系などを総合的に顧問先に月額顧問料の範囲で、ご提供していきます
これは、当事務所にとっても業務を効率化するため、ぜひとも進めたいと考えています。このような発想を持ち、意識を持てば、決算作業はもっと楽に、早く、正確に行えます
 
このような専門家だからこそ言えるアドバイスを今後も中小企業やベンチャー企業の皆様に提供していきたいと思います

経過措置医療法人から基金拠出型医療法人へ移行する際の注意点

2014-12-17

 

 
公認会計士・税理士の木本です
 
金融市場は、今日も荒れ気味ですね。ロシアルーブルの下落に歯止めがかかりません。もともとは、皆さんがご存知のようにシリア問題に端を発し、各種の制裁が行われました。この時点で地政学リスクが種々言われましたが、今回は、原油安による影響です。新興国で著しい発展をしている国の多くは資源国です。しかし、現在のような原油価格や天然ガスの価格水準になってしまうと、資源国の経済には大打撃となってしまいます。特に、通常の油田開発ではなく海洋油田やシェールオイル・ガスの場合は、開発コストも相当程度高いため、OPEC諸国と比較すると、ロシアなどの油田では、競争力が低く、結果として、これまでのような資源国だから大丈夫、という観点がなくなってしまいます
その結果、ルーブルはさらに売られてしまい、それが、ヘッジファンドなどを引き寄せ、更なる相場下落を引き起こしているように見えます。いずれにしても、このような事態が起きると、基本的に、安全資産である円は、買われる傾向となり、円高となります。現状の状況は、少々異常な価格変動リスクがありますので、今後の動向に注意が必要な分野だと思います
 
さて今回のコラムですが、今回は、経過措置医療法人が基金拠出型医療法人へ移行する際の税務上の注意点を説明したいと思います
 
経過措置医療法人が基金拠出型医療法人に移行する際に、認定制度を利用し、相続税・贈与税の納税猶予・免除制度を利用し、税額を可能な限り圧縮することができることについては、以前のコラムでご説明した通りです
 
以前のコラムでは、認定制度により認定を受けた認定法人が、認定に際して提出した移行計画にしたがって、「持分の定めのない法人」への移行をした場合に、相続・贈与税の納税猶予が行え、さらに、最終的に移行を行った後に出資持分の放棄を行うと相続税・贈与税が免除されるという制度を紹介しました
 
しかし、基金拠出型医療法人へ移行するに際しては、一部例外があり、相続税・贈与税が猶予・免除されないケースがあります
 
これは、他の出資者が持分を放棄し、医業承継者が保有する持分のみを基金に拠出する場合に問題になります
 
これは、持分の割合が30%であった場合に、医療法人の純資産が100だとした場合、自己の持分は100×30%ですので、30となります。
また、他の持分保有者の合計額は、70になります。
 
この際、他の持分保有者が全額放棄した場合を想定します
 
放棄すれば、当然その分だけ、医業承継者の持分の価値は増大します。例を単純化すると、70全員が放棄した場合、当初30しかなかった医療承継者持分の価値は、70が加算され、100になります。
そこで、100を基金に拠出するということもできますが、その際に、当初から増加した70部分の贈与税が問題になります
 
これは、考えれば当然ですが、もともと、70部分は他の出資者の放棄により増加した経済価値であるのに、この価値が基金拠出額に加算されるため、医業承継者の財産価値がその分(70)だけ上昇します。この点は、財産価値の増加が起こっている以上は、猶予・免除対象としないということになっております
 
上記を整理すると、当初の移行前の持分の価値分だけの基金拠出であれば、相続税・贈与税は免除されますが、当初の価値を超える基金拠出を行うと、贈与税・相続税は免除されません
 
この点、基金拠出型へ移行することを考えている場合は、慎重にご対応をとることをお勧めします

 

経過措置医療法人の移行先の法人の有力候補

2014-12-15
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
選挙が終わり自民党圧勝となりました
もちろん、いろいろな感想は皆さんお持ちだと思いますが、個人的には状況を受け入れながら、自分の職務として実施可能なことは何かを考えながら、業務上の必要なことを行い、社会貢献をしていくことを考えております
 
さて、経過措置法人が「持分の定めのない法人」に移行する場合、多くの経過措置医療法人が移行するパターンとして、「基金拠出型医療法人」が挙げられます。その理由について、今回は説明したいと思います
 
この問題は、このコラムでも何回か触れていますが、平成19年4月以降の第5次医療制度改革において、「持分の定めのある医療法人」の設立ができなくなり、既存の「持分の定めのある医療法人」は「経過措置医療法人」として、将来的に「持分の定めのない医療法人」への変更を求められています
この際に、既存の「持分の定めのある医療法人」が移行する場合に想定される法人としては、基金拠出型医療法人が多くなるものと想定されています
 
基金拠出型医療法人とは、医療法人に現状の持分等をすべて放棄するものではなく、持分の価値の一部あるいはそれを超える金額の基金を拠出し、医療法人の運営を行っていくこととなります
 
従来の「持分の定めのある医療法人」と「基金拠出型医療法人」との差異は、開業家として、「出資」を持つのか、それとも「基金を拠出」するだけなのかという点が差異となります
 
出資は、いわゆる法人の意思決定上の議決権と、法人の純資産等の増加に伴い、財産的な価値も増大する特徴を有する財産権の2つを保有します
この点は、通常の株式会社などの会社の出資と同様に考えることができます
 
出資は、当初の拠出が100万円でも、過去の利益の蓄積(合計額)が5億円あれば、5億1万円で評価することになります
 
これに対して、基金の場合は、当初の拠出が100万円であれば、将来利益が蓄積されたとしても、100万円の財産価値しかありません。さらに、基金の場合は、議決権などもありません
 
そのため、基金とは、財産権のみを保有するものと理解していただくとわかりやすいと思います
 
また、なぜ基金拠出型医療法人への移行が多くなるのかという点については、それ以外の方法だと、現在の経過措置医療法人に対する出資持分を全額財産的にも放棄する必要があるのに対して、基金拠出型では、出資者として財産権はある程度確保できるというメリットがあります
 
この点は、開業家として病院・クリニックを大切に思えば、財産的にある程度ガバナンスを働かせることができる基金拠出型の方が経営上も安心だと思います
 
以上の点から、経過措置医療法人の移行先として、基金拠出型医療法人が多いのは、理解いただけたかと思います
 
しかし、基金拠出型医療法人への移行には、税務上の問題もはらんでいます。この点は、次回のコラムでご説明します

修繕費と資本的支出(固定資産)の境界線とは?

2014-12-10
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
一気に、冬になりましたね。本当に寒さを感じます。皆さんは風邪などは引いてないでしょうか?
 
円安が一気に進んでいます。これまでの輸入ビジネスモデルの場合は、相当程度大変だと思います。先日日経新聞でアナリストの方が指摘していましたが、円安の本当の影響が出てくるのは、来年の6月以降では?という旨の指摘がありました。
多くの輸入会社は、為替予約を来年の6月ぐらいまでは入れているところも多いという話だと思いますが、予約が切れた瞬間から、30%程度のコスト増がいきなりあらわれてくる可能性があります。
どのように対処すべきかと言われると、選択肢はそれほど多くなく、国内調達に切り替えるかデリバティブを使って為替レベルを下げるか、製品販売単価を上げるか、などの方法しかないと思われます
 
基本的には、その輸入品を用いた商売では、販売単価を上げつつ、原価低減などのコスト削減を行うケースが大半だと思いますが、もし、国内調達ができるのであれば、それを深ぼりすることになると思います。
また、是非、他の製品で輸出できるものがあれば、そちらも検討することをお勧めします。やはり、円安の効果を最大限受けるには、輸出が必要ですので。
こちらは、すぐに思いつかないこともありますが、何等かの方法を考えてみていただければと思います
 
当事務所グループでも、輸出に関する支援活動をしておりますので、もし何等かお困りの際には、ご相談いただければと思います
 
さて、本日のコラムですが、本日は、昔から言われている修繕費と資本的支出の境界線について、お話させていただきたいと思います
 
基本的には固定資産として計上したほうが、税務上のリスクは少ないのが現状です
 
しかし、機械の修理などで要した支出が全額損金として扱える場合も当然あり、修繕費として処理することが認められるケースでは、そのように処理しないと税金が過大になってしまいます
 
そこで、資本的支出と修繕費の境界線が重要になります。しかし、その前にまずは単純な区分についてお話します
当然ですが、新規の資産の購入ではなく、すでに持っている資産の修理改良に関する支出が対象です
 
①20万円未満の支出又は3年以内の周期
②追加で何等かの機能が増したかどうかが明らかな場合
これについては、機能が増した場合は、該当する金額は資本的支出として資産計上することが必要です。これに対して、単純な現状維持ということであれば、修繕費になります
③ ②の基準で見た場合に、明確に判断がつかない場合は、「支出総額が60万円未満か前期末取得価額×10%以下」に該当するか否かという基準で判断します。
 
ちなみに、③の基準は、②の部分でどちらか不明確な金額部分が対象になり、それ以外の部分は、修繕費あるいは資本的支出となります。
 
最終的に、③で不明瞭な部分が基準を超える場合は、最後の判断材料として、「区分不明額×30%」か「前期末取得価格×10%」の少ない金額を超える部分は、資本的支出となり、それ以下の部分は、修繕費となります
 
上記のように不明確部分の取扱いは、かなり複雑になっています。ただし、おおよそのケースでは、そこまで判断に悩むことは少ないと思います
 
もちろん、定期的な修繕を行うことも一つの決算対策として重要です。しかし、それが資本的支出か修繕費になるのかという点は、その支出が機能の増加かあるいは現状の状況の維持かどうかという視点で見直してみていただければと思います

広告宣伝費と交際費の境界線は?

2014-12-04

 

 
公認会計士・税理士の木本です
 
ついに選挙が始まりました。アベノミクスの効果を総点検する形になると思いますが、各政党ごとに主張があり、良いと思います
十分内容を注視して、14日の投票に行きたいと思います
 
さて、今回のコラムでは、広告宣伝費と交際費の境界線を考えてみたいと思います
 
広告宣伝費には、当然不特定多数の人々に対して、自社の商品や製品の宣伝を行ったり、自社あるいは病院クリニックのサービスの宣伝を行ったりすることを意味します
また、宣伝活動を行うには、当然メディアなどへの掲載のみならず、SNSやインターネットでの広告などもすべて含まれます。さらに、宣伝のための物品などにより行うことも考えられます
 
さらに、社名入りの金券などを商品・製品やサービスの購入に対して提供する場合も考えられます。
 
しかし、税務上問題となるのは、不特定多数向けの宣伝のための物品や金券などの提供ではなく、特定の取引先向けの物品の提供や金券の提供が問題になります。
もちろん、売上に対する割戻として、金品を取引先に渡すこと自体は、問題ありませんし、交際費として扱われることはありません。これに対して、取引先の従業員などの特定の個人に対して商品券や中元・お歳暮などを送る際には、注意が必要です。
 
基本的な考え方は、取引先の従業員への金品・物品は、それが広告宣伝目的のものであっても、交際費になります。ただし一部例外があります
 
広告宣伝目的の物品を渡す場合は、別な取扱いになります。渡した物品の金額が3,000円以下の場合は、少額物品として広告宣伝費として扱われます。これに対して、3,000円を超える場合は、交際費に該当することとなります
 
次に、金品や中元・お歳暮といったものを取引先従業員に渡す場合は、例外なく交際費になります。なお、金品には当然商品券(社名入りのものも含む)も含まれます。
よくある間違いとしては、社名入りの商品券を渡した場合に、その金額が3,000円以下の場合に広告宣伝費として処理してしまうケースなどです。また、中元・お歳暮は贈答のための費用です。必ず交際費としてください
 
以上のように、年末のお歳暮などを送付する機会も多くなってくると思いますが、上記のような取扱いになりますので、注意が必要です

医療法人の持分の払戻では注意を!

2014-12-03
 
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
ついに衆院選が始まりました。また、世界経済も変調をきたしているように思えます。
もちろん、米国の金融緩和の出口戦略への切り替えや欧州・日本・中国の金融緩和などが、混沌とした経済をさらに混沌とさせているようにも思えます
ただ、現状の状況が続く限り、ドル円は、円安に向かうと思いますし、資産効果だけで日本株は現状の水準を維持あるいはもう少し上昇する可能性を持っていると思います
 
さて、今回のコラムでは、病院・クリニックの方向けの、医療法人の組織移行時の準備として、一部社員の持分の払戻に関する税務上の論点となります
 
先日のコラムでも記載した通り、持分の定めのない医療法人への移行に関しては、移行計画の認定制度が、平成26年10月1日から法制度が施行しました。
また、それと合わせて、相続税・贈与税の納税猶予・免税制度もできました。この方法は、将来的には、究極の節税策になると思いますが、いくつかの点で注意しなければならない点があります
 
この移行により、もっとも多く選択されるであろう、基金拠出型医療法人です。
この基金拠出型医療法人への移行に際して、出資者が持分の一部を基金拠出する場合の処理は以下のようになります
①出資持分の払戻
②払戻額が、財産基本通達等の方法により時価評価し、払戻を実施
 
上記の、②の時にですが、当初の出資額を超えた場合、その超えた額(通常は、剰余金の額に持分比率を乗じた金額になります)は、「みなし配当」として出資者の所得税の課税対象になり、税金がかかります
この制度は、当初の出資額を超えた時価で払戻を行うということは、剰余金の払戻を行ったものと考えられるため、この超える部分は、配当とみなすして課税するという制度となります
 
相続税・贈与税については、猶予制度ができていますが、上記の部分は、所得税法で規定している部分になります。
 
なお、このみなし配当ですが、こちらは、例えば通常の事業法人でも、株主が事業法人に時価で買い取ってもらう場合で、当初の出資額を超えた時価で支払を受ける場合も同様の取扱いになります
 
さらに、この配当は、非上場会社の有価証券という位置づけになるため、分離課税ではありませんが、確定申告により配当控除を受けることはできます。また、医療法人側では、払戻に際して源泉徴収を行うことが必要ですので、注意してください

 

一部貸付資産も生産性向上設備の対象!注意点も!

2014-12-02
 
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
最近、コラムが遅れ気味です。。昨日も出張に出ていたため、なかなか対応できず。。
これからも気を引き締めて、記載してきたいと思います。
 
皆様、宜しくお付き合いください
 
さて、これまでもたびたび触れてきましたが、生産性向上設備投資促進税制の適用に関するお話となります
 
生産性向上設備の範囲には、A類型とB類型がありますが、A類型は、経済産業大臣と各設備メーカーの協会で指定するものとなりますので、その資産固有に対象となることが明確ですが、B類型では、単に投資利益が10%以上向上するという資産が対象となるため、非常に対象が広いものとなります
 
しかし、賃貸不動産のような単純な貸付資産は、このB類型にも含まれないことは、以前のコラムでもご説明した通りです
 
これに対して、自社の生産のための工場などの建屋の一部を外部業者に貸与した場合は、貸与資産であっても、B類型の生産性向上設備に該当します
こちらも、自社の生産活動等に直接寄与する場合、全体として生産性向上設備の対象となります。
 
また、これ以外に、建物として生産性向上設備を取得し、その一部を生産活動以外の用途として、貸し付ける場合、この建物はどのように扱われるかという点について、取扱いが不明でした。
 
例えば、サービス業や小売業などを営む法人(病院・クリニックの場合は、MS法人など)を想定していただきたいと思います
 
これらの法人が、生産性向上のために建物を新築した場合に、一部のフロアを単純に貸付を行った場合、この建物全体は適用対象にならないようにも考えられます。しかし、実務上は、生産活動に寄与するフロアと貸付フロアを明確に区分し、帳簿上も合理的に区分できる場合は、生産活動に寄与している部分のみを生産性向上設備の対象とすることができます
 
この点、注意点もあります。上記の資産の取得について、取得価格基準などの基準をすべてクリアすることのみならず、生産活動等に寄与する部分(自社利用部分)と貸付用部分の区分が合理的になされていることも証明することが必要です
 
したがって、面積比などで建物の取得価格を分けるなどの方法によって、帳簿上も合理的に区分していただければと思います
 
建物等の場合は、取得価格が相当程度大きいことも想定され、かつ、償却期間も通常は長いことを考えると、非常に大きな節税ツールになります
 
ぜひとも、再度ご確認ください

医療法人の方、法人の組織の変更には税務上の注意が必要です

2014-11-29
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
今回のコラムでは、「持分の定めのない法人」への移行に伴う税務問題を考えていきたいと思います。これは、特に出資持分の放棄による贈与税がかかるかどうかなどの問題点が、相続税・贈与税の納税猶予制度を利用した場合でも、問題になる可能性があるという点が、今週の税務通信において取り上げられています
 
この点、説明していきます
 
病院・クリニックの方も、以外と知らない方が多いかも知れない、移行の話。
 
特に、平成19年3月末日以前に設立した医療法人は、ほとんどが出資に関する「持分の定めのある法人」になっています。
これは、医療法人の貸借対照表に資本金がある場合は、この法人に該当します
 
第5次医療制度改革において、病院・クリニックの公益性および存続可能性の確保の観点から「持分の定めのない法人」の設立のみが認められ、依然に認められていた「持分の定めのある法人」-社員が定義され、各社員ごとに持分の定めが定義されている法人-は、設立が認められず、「持分の定めのない法人」に移行することが要請されています。
そのため、「持分の定めのある法人」は、経過措置法人と言われております
 
この経過措置法人が、「持分の定めのない法人」への移行を計画し、厚生労働大臣から計画の認定を受け(認定医療法人)ることにより、移行の際に出資者の持分放棄による贈与税や出資者の死亡による相続税負担が、最大3年間猶予され、最終的に出資者(相続人を含む)が持分を放棄すれば、相続税・贈与税が免除されるという制度があります
 
この制度がわかりにくいということであれば、追加でご説明しますので、当事務所にご連絡ください
 
上記の相続税・贈与税の納税猶予・免除制度ですが、この制度を適用したとしても、医療法人が出資者からの持分放棄を受けたときに、贈与税がかかってしまう-みなし贈与課税といいます-があるようです
 
これは、相続税法や施行令に規定されていますが、医療法人の組織体制に不備がある場合は、贈与者の親族らへの「相続税又は贈与税の負担が不当に減少する」という結果をもたらすことにとなるため、法人の組織の運営体制として、
 
① 医療法人の運営組織が適正であること
② 役員等の親族等の占める割合が1/3以下であること
などがあります
 
上記の②で、従来から名目上の理事を据えることによりクリアしている場合は、②の要件を”満たさない”と判断されることがあるようです。したがって、組織運営体制の見直しも、合わせて行うことが重要だと思います
そのためには、名目的な理事業務に従事していない理事ではなく、本当に職務上必要な人員に理事を行ってもらう必要があると考えます
 
過去における医療法人への移行は、基本的に税務上の節税メリットの観点から行われてきている側面は否定できません。しかし、税務から求めているのは、非常に原理原則に沿った話を展開しており、その点は、医療法人側との意思の相違があります
 
移行認定制度によれば、すべてがクリアされるというイメージをまずは払拭し、原理原則に沿った運営ができているのかをもう一度再点検することが必要であると考えます

クリニック・医療法人におけるゴルフ会員権等で気を付けること

2014-11-22
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
今回のコラムでは、クリニック・医療法人におけるゴルフ会員権等で税務調査などで気を付ける点をご説明します
 
ゴルフ会員権等については、個人事業主と法人では取扱いが異なります
 
これは、個人事業主の場合は、事業主のために支出したものは、必要経費および会員権自体も事業主名義であれば資産に計上することはできません
これに対して、医療法人の場合、法人として購入した場合は、基本的に資産として計上することとなります。ただし、単純な役員等の個人的な利用のみである場合は、その支出自体が役員給与とされてしまいますので、十分その留意が必要です。もちろん、法人で購入した会員権が個人会員用のものである場合は、その個人への給与とし、法人の資産として計上することはありません
 
次に年会費の取扱いになります。年会費の取扱いも、ゴルフ会員権の取扱いと処理を合わせます
 
つまり、
 
個人事業主形態の場合は、会員権の資産計上ができませんでしたが、年会費についても同様に必要経費とすることができません
これに対して、法人の場合は、会員権が資産計上されている場合(法人名義で業務遂行上の必要性がある場合)は、年会費についても交際費として取扱います。なお、会員権の資産計上をする理由がない場合は、法人の交際費として扱うことはできません
 
最後に、プレー代ですが、こちらは、会員権の取扱いと全く同様ではなく、あくまでも、その費用が業務の遂行上必要である場合は、個人事業主・法人のどちらも、交際費として扱うことになります。これに対して、それが業務遂行上必要性が認められない場合、-例えば、役員や事業主個人の付き合いや趣味として支出した費用-については、経費として扱えません
そのため、もし法人でその費用を支出した場合には、そのプレーを行った人に対する給与として扱われます
 
以上のように、十分注意が必要ですので、法人あるいは必要経費として扱う場合には、誰とどういった業務上の目的で行ったのかという点を明確にしておいてください

医業法人の役員に支給する退職金で気を付ける点とは?

2014-11-20
 
 
公認会計士・税理士の木本です
 
今回のコラムでは、役員の退職金に関する注意点となります。本項目は非常に悩ましい問題です。こうすれば必ず大丈夫という方法は、正直言うとあまりありません。もちろん支給額が低額であれば全く問題ないと思われますが、それでは根本的な解決になりませんし。。
 
退職金の支給について、もっとも悩ましい点は、支給額の水準感が問題となるケースです。これは、近隣の同業他社の支給額を見ながら、支給額を決定することになります
基本的には、ある程度のデータというのは存在します。それは、功績倍率法における倍率です。
実務的には、この倍率(1~3倍)を報酬に乗じて算出します。
実際の収集にあたっては、近隣の同業他社(医療法人)のデータを取得しながら、当該倍率を算出した根拠を明確に残しておくことが必要です
 
支給水準以外にも、気を付けるべき点があります。これらは、税務調査においても必ず見られる点(注意が必要な点)です。以下箇条書きで記載します
 
  1. 役員退職金の支給がkうが確定しない事業年度に未払計上していないかどうか?
  2. 退職年金として支給する場合、年金部分の総額を未払計上していないかどうか?
  3. 役員の形式的な分掌変更しかしていないにも関わらず、退職金を支給していないかどうか?
  4. 退職金支給のための生命保険給付額をもって、退職金支給額としていないかどうか?
このように退職金に関する論点としては、大きく5つの点がありますが、根本的には、
① 過大な支給額となっていないか?支給額決定に合理的な根拠があるか?
② 退職の事実があるかどうか?
③ 退職の事実に合わせた経理処理がなされているか?
という点が問題となります
 
十分、留意していただければと思います
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