M&Aを事業承継に積極的に使う!:スキームの組み立て

2014-09-22
 
 
木本公認会計士税理士事務所 木本です。当事務所グループでは、事業承継においてM&Aを利用する場合についても、M&Aアドバイザリー業務等を行っている株式会社KLASとともに、ワンストップでサービスを提供させていただきます
 
今回は、事業承継においてM&Aを積極的に利用する手法として、その一例をご紹介させていただければと思います
 
事業承継において、度々発生する悩ましい事象として遺産分割があります
もちろん、遺産分割は、子息が2名以上いる場合や会社の株主になっている親族の範囲が広範である場合などにおいて、会社経営の安定化とともに、財産配分をそれなりに、親族間で納得いくように配分することが重要になります
 
ここで”それなりに”との修飾を付けたのは、常に全員が満足するような回答を得ることは困難であるし、会社の株式の引継ぎには、必ずだれが後継者かを明確に示すような保有比率にしないといけないということを考えると、関係者の満足水準は、不公平感ももちろん出てきます
しかし、事業承継後の会社の経営安定化のためには重要であることから、株式の配分や経営については、本命の方に承継させる必要性があるが、財産については、別な方法で配分することが可能です
 
配分する方法としては、いくつかの方法がありますが、下記のような例が良くあります
1) 不動産賃貸事業
2) 本業以外の事業あるいは子会社
3) 金融資産を、生前贈与や保険などの方法により相続させる方法
 
上記のように、基本的には本業に影響のない事業を移管することにより、財産配分を行うことになります
この場合、1)、2)のケースで、子会社など別法人になっている場合は、株式の移転で行えますが(もちろん何らかの組織再編スキームを考えることも可能です)、これらの事業が本業の会社と別れていない場合は、税務スキームを考慮することが必要になります
 
今回のケースでは、比較的オーナーの資金負担が少ない方法をご紹介します
 
A社には、2つの事業があります。一つは食品加工業であり、もう一方は不動産業です。主たる事業は食品加工業であり、不動産賃貸業は資産運用の一環で始めた事業で、現状賃貸マンションを5棟保有・運営しています
 
今回、A社のオーナーのF氏には2人の子息がおり、兄のF1氏は既にA社の専務取締役として、後継者として経営を仕切っております。また、妹のF2氏は、取締役としては存在しているものの、本業にはほとんど関与していません
 
今回、F氏は、子息への事業承継を考え、当事務所に相談に来られました。その中で不動産賃貸事業は、A社の財務基盤を補完できるものであるが、F2氏への相続財産という点から考えると、もっとも適しているため、これらをすべてF2氏に承継させ、本業については、すべてF1氏に承継したいとのことです
 
このケースでは、不動産賃貸事業には含み損が無いため、分割型分割により、A社を2つの会社に区分する手法を提案しました
この方法により以下のようなスキームになります
 
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このスキームを利用することにより、F氏はA社及び新AF社(不動産賃貸事業)の各事業を会社として別途保有し、それぞれの会社をF1氏、F2氏にそれぞれ承継させることが可能になります。また、さらにはF1氏の承継する株式の相続税法上の評価額を下げる方向にも寄与します
 
税務上の取り扱いについてのご説明は、次回のコラムにて行います
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